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パァン


と平和の国、日本に似つかない乾いた音が木霊した

しかし、街はもう寝静まっていて

その音を気にするものはいなかった



「ッ・・・ハァ・・ハッ・・」


ドッと壁に背を預けズリズリと地面に座る

ジワリと抑えたところが熱を持ち、血を流す


「(弾は・・貫通してるようね・・・・)」


布で止血し、周りの様子を探る



「Era?!(いたか?!)」

「 No, non è qui. È come là!?(いや、こっちにはいない。そっちはどうだ!?)」

「Non c'è anche segnale qui.(こっちも気配が無い)」

「Percorra!! Ancora deve essere vicino!!(探せ!!まだ近くにいるはずだ!!)」


バタバタバタバタ

と数人の気配が遠ざかって行った


「(一先ず安ぜ・・・・・・・・・・・・)・・・誰だ?」

「わっ!?」


一般人らしき気配が近づいてきた

月光でやっと顔が見えるようになって見えた顔はまだ幼かった



「だ、大丈夫ですか!?血が!?」

「しっ。大丈夫だから騒がないでくれ」


あっという風に少年が口をふさいだ

それから少し近づいてきて小声で話し始めた


「動けますか?手当てをできる人のところへ・・」

「いや、私に関わらないほうがいい。良い子だから家に帰っておやすみ」

「だ、駄目ですよ!結構血も出てますし・・・・・・それに厄介なのに関わるのは慣れてます」


少年はやけに遠い目をしてどこかに電話し始めた

どうやらまだ若いのに苦労してるようだ



「え?また髪の色? もう・・えーと、白ですね。わっ!?急に叫ばないでください因幡さん!!地毛かって?」


一体なんの話をしてるのだろうか・・・・・


「すみません・・その髪って・・地毛ですか?」

「あぁ、珍しいからな。アルビノって言えばわか・・」

[アルビノ!!?すぐ行く!!待ってろアルビノー!!!]ブチッ


ツー・・ツー・・


少年の電話から大きな声が漏れて勝手に切れた


「・・・・今からどんなやつが来るんだ?」

「ちょっと説明しにくいですけど・・・・毛フェチです

「・・普通は医者を呼ばないか?」


少年はまたあっという顔をして苦笑いした

まぁ一般人にはこの状況で混乱していたのだろう


しばらくすると遠くから「アルビノー!!!」という声が聞こえ

ダダダッと眼鏡の男と・・・・女の子(?)が走ってきた


「来てもらって悪いけど静かに・・・」

「うっわ!マジでアルビノじゃん!!弟思い出すなー!」


あぁ・・・マジで毛フェチだ・・・


私の髪に飛びつこうとしてるのを少年が抑えてくれてる



「痛ッ・・・・」

「あっ大丈夫ですか!?」

「撃たれてるな・・優太!」

「はいはーい」


女の子(?)が毛フェチの背中をズビビビッをついた


「なにをして・・・・!?」


突然毛フェチの見た目が変わった

いや・・・・変身というのだろうか

毛フェチに犬のような耳と尻尾が生えていた


「おっ驚いてる驚いてる!そうなんだよー・・・俺実は長髪なんだ!」

「そっちじゃない!?変身のほうに驚いてるのよ!」

「あ、そっちかー」

「そっちしかありませんよ!」

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